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聖域 -Badger sanctuary-

 

撮影日 2013年5月

 


ここを訪れたときは 「ただ廃墟を撮影しにきた」 だけの気分だった。

あとになってここは思いで深い場所になっていた。

 

 


河川増水の影響で側道は侵食されている。

 

 

 

 

 


歩く事20分ほどで到着した。

川を渡りきった場所にアナグマがいた。しばらく後こちらの足音に気が付いた様で
一目散に逃げていった。

しかし逃げた先は朽ちた鉄管だった。

 


覗き込むと袋小路となった鉄管の中で威嚇をしていた。

 

 


カロリーメイトをあげているようだが、この状況では食べてはくれないだろうw

 

 



手前に転がるのはカロリーメイト。
落ち着いたらあとで食べてくれるだろうか?

 

このあと意を決し鉄管から脱出したアナグマは一目散に
逃げていった。

しかしながら逃げた先は、これから私達が向かう廃墟だった。。。。

 


アナグマはどこに行ったのだろうか?

 

 


いた・・・・。

鼻の上のほくろみたいな特徴からさきほどのアナグマだろう。
小さな倉庫の様な場所の一番下段に 隠れていた。
いまは威嚇行動はとってこない。

変わりに面白い行動を見せてくれた。

狸などでもみられる擬死を見せてくれた。
この80cmの近さに私がいるのに段々と眠そうな感じになっている。

 


そして寝てしまった。俗に言う「狸寝入り」というものだろう。

捕食者から逃げられそうにない状況下で無理に暴れると疲労するだけ
驚いた場合もそういう行動が自然にでてしまう。その後、頃合を見計らって逃げ去ってしまう。

追い立てるわけでも無くただ見ているだけなのだが。。。
人慣れしていない動物にしてみれば本当に生きた心地はしないだろう。

 

それでは写真を撮るためにアナグマから離れよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


二階があるようだ。

僕は二階へ上がってこの場所の印象が変わった。

 

 


真っ暗で足場の不安な階段を上がった。

 

宿直室だろう。畳が敷いてあっただろう。障子も張ってあった感じだ。

 

 

 

薄暗い中足元に見えた。

 

アナグマの遺体だ。

 

一つの部屋に何箇所にも分かれ遺体が転がっている。

 

 

「ここは墓だ。。。。。」

 

 

あのアナグマの先祖だろうか・・・・。

 

寿命を悟ったアナグマ、何かで重傷を負ったアナグマ、

今までの歴代のアナグマはここに集まり最後を迎える場所なのだろう。

 

「聖域?」

 

アナグマにとってみれば

ここは雨風しのげる住みかでもあり、安心して過ごせ

そして

安心して最後を迎える事ができる。

 

映画のラピュタでもロボットの墓場としてこんな光景がある。

 

薄暗く気味が悪いと思ったが、

この数々の遺体を見て

ここは特別な場所なんだと理解した。

 

 

 

 

 

ここに私は居てはいけない。

招かれる客ではなく、この場所を汚してしまう気持ちに思えた。

 

 

「ただ写真が撮りたい」と安易に入ってしまったが

ここはお墓。

アナグマは家族で暮らすと言う。
母親とメスの子供は一緒に暮らし、母親が産んだ子供を一緒にいるメスの子供が世話をする事がある。
これは子育ての訓練と言われている。

今日あったアナグマは子孫だと思う。

あのアナグマはここに住み、毎日先祖の姿を見て
外へ食べ物を探しに出かけるのだろう。

ただの興味本位で上がりこみ申し訳ない気持ち。
早々に立ち去る事にした。

 

あのアナグマも寿命を全うしてここで眠り、
そして子孫が継いでいく。
何年も続いてきた事だろう。

 

 

さようなら。また会いに着たい気持ちもあるが、
相手は望んでいないだろう。


もし行く事があり出会った場合、
それはもう、あのアナグマではないかもしれない。

 

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