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【合同イベント】 知られざる鉱山跡をめぐる − オールアバウト 阿部直輝 −


今回はこの地を深く愛し、その隠された遺構を見つけ出した。
マインレンジャーと呼ばさせて頂きたい 「阿部 直輝」 氏 渾名はnao氏に案内を頂いた。

度々私のレポートでその名前を見る事が多いと思います。

この地の遺構9割を発見したと思われるほどであり、坑外という誰もが行ける世界なのに写真を見た事が


無い所ばかりだった。これだけの場所を捜し出すのには相当な苦労があったとの事だった。


まず、nao氏、阿部直輝 氏との出会いをご紹介しましょう。

彼との出会いは2年前程になると思う。出会いと言っても一度も会うことなく一年以上の月日が経っていた。

出会ったきっかけは、彼が私のHPの読者様だった事から始まる。廃墟や心霊スポットを巡っていた彼が

辿りついたHPが私の遺構調査機構だった。元々鉱山に興味があった彼は私のHPを見た時に

正直ショックを受けたらしい。
「このDQNはどうやって坑道に入り探検をしているのか?」

他のサイトでは見られない真の坑道を見て驚いて頂いたらしい。

そして自分でもできるのではないか?と様々な鉱山を調べたと言う。



この点は私もHPを立ち上げるきっかけになった師、ヨッキれん氏の「山さ行がねが」

隧道シーンを見た事により、「何者なんだ???こいつが出来るなら俺にもできるんじゃないか」

近い状況だったと思われる。初めて見た時には、丸一日見続けても終わらない濃いレポを

楽しく見させて頂いた。おかげで休日2日を費やしてしまったw



そして探検先で見つけた竪坑跡に立ち、覗きこんだ際に電撃を受けたらしい。

「これが俺の探し求めていた探検だ!」この時から坑道の魅力にとりつかれたらしい。

地獄の入口の様な、あまりにも深い竪坑、そして吹き上げてくる風に乗った坑道の土の香り。


「この中はどうなっているのだろうか?」「よくもこれだけの深い穴を人間が掘りぬいたものだ」


そして、意を決して私にコンタクトをとってきたのだった。

「まず、浮気をしないで一つの鉱山をホームマインとして調べつくす事が大事だ!」と教え、

色々な鉱山を見て回るのではなく、頻繁に行ける鉱山跡を一つ見つけ、山を歩き周り、

坑道を捜し出し、地図を作ったり、まずはそれが親身に勉強できるだろうと。

運がいい事に、彼の地域にはそれはそれは巨大な鉱山が存在した。

正直、その鉱山規模を羨ましくも思った。

そして、それから数カ月後、
「ホームマイン、極めました」と。。。。

「一人では越えられない探検もある」と助けあえるパートナー、ダン氏を仲間に

この地を毎週のように駆け巡ったらしい。

そして上級手段を会得しようと
「SRT・シングルロープテクニックを教えてほしい」

「こいつは化ける!見込みがある男だ!」私はマトリックスのモーフィアスになった気分で、

惜しみなく、(惜しむ事ではないが)一から

器具の使い方、全ての器具の説明書を熟読、必要最低限の器具を奨め、

器具の動きを知る為に1mから始め、徐々に高さを上げていき、登攀、下降を繰り返し・・・・・と

教えられる事は全て教えた。

そして、数カ月後
「SRTマスターしました」と連絡を頂いた。そして仲間のダン氏も

実戦では経験がないものの、SRTの基礎をマスターしていた。

「この地には素晴らしい鉱山があり、nao氏にも良き仲間ダン氏が存在し、そのおかげで2名ものロープワーカーが誕生した。」

私はただきっかけを与えただけであり、日本の高度成長を担った鉱山、

今は廃棄され静けさの中消えようとしている坑道を、消え去る前に見ておきたいと、

その意気込みと探究心は彼ら自身が心に抱いていたものだ。


阿部 直輝

そしてある時、「色々ご案内しますよ」「この地に来てみませんか」と。
早速、週末探検隊のBaro氏と共に現地に赴いた。

今までのお礼も込めてとの事だった。

初めて会うnao氏、そしてその夜にはダン氏とお会いした。

技術を認め「遺構調査機構」、初の直属の相棒となったnao氏。

服には「遺構調査機構」と刺繍まで入れてきていた!

出会う人に恵まれていると思った事が多くないが、この趣味で出会った数々の友人には大変恵まれている。
2011年7月、最近は10代の若手mog氏、それにYARUO氏、と出会ったが
度胸もあり、「その先には何があるのか?」の探究心、「探検するにはどんな道具が必要か、技術は何が必要か?」
そんな向上心もあり、何より私と同様全ての「廃」を愛する気持ちがある。
廃墟、廃線、廃鉱、廃道など隔てる物は無く、昔の産業遺産が好きらしい。

立坑

撮影:Baro氏
まず最初に連れて行ってもらった場所。

廃道の様な場所を見つけ、その場所を
ひたすら辿って行ったところ、
発見したと言う。

廃道は過去に起きた土砂崩れの後に
年数が経ったため木々が多い繁り、
ただの斜面にしか見えない場所も
あった。道幅が広い事から、過去には軌道が
敷設してあったと思われた。

到着した場所で見たもの、
自然にできた亀裂では無いようだ。
この角度からでは内部が確認できないが、
後日nao氏と二人でこの場所に来て
ロープを使い降下した。

こちらは後日談。
この竪穴に降りる事になった。
この内部探索はまた別の機会に
ご紹介いたします。

 

また別の場所へ連れて来ていただいた。
この場所は竪坑櫓があった場所だと言う。
写真は火薬庫の跡。
ブロック塀で塞がれているが、上部が開いている為に
中を覗う事が出来た。奥行きは無く坑道ではない事は
確実であった。

 

今は殺風景な感じであるが、この場所には
竪坑櫓が立ち、昇降機が行き来していた。
今はご覧いただけるように、櫓の痕跡はなく、
「この下には地下施設があるような」
そう思える物しか残ってはいなかった。 
おお、危ない所に立ち写真を撮っている
週末探検隊の隊長Baro氏。
実はちゃんと格子状のパイプがあり
落ちる事は無いのでご安心を。
写真の穴の隣にも鉄板で塞がれた竪坑が
あるが、鉄板の下は同じように格子状のパイプで
塞がれていた。

深くて見えない。。。。

後日この下に到着しようとは
この段階では夢にも思わなかった。

 

そして竪坑櫓の場所から数十メートル地点だったか?
坑道の入口存在した。
コンクリート塀で完全に密封されている。

なんとnao氏はこの中に入った事があると言う。
上部に設けられた通風目的の隙間。
脚立を立てかけこの隙間から身体を滑り込ませたらしい。
そして内部に入る前に向きを変え、
上半身を出し、塀の上に上半身を預けたまま
脚立を中に引きずり込み、到達したとの事。
しかし、かなり奥行きがあり断念したという。
この壁の反対側には、このバリケードを作る過程で
残された単管が多数突き出しており、
一歩間違うと串刺しを喰らうらしい。
少々恐怖である。

 

そしてまた近辺には坑道があり、扉は無く鉄条網で
行く手を遮っていた。

しかしnao氏が以前見た光景と違うらしい。
前回来た時はちゃんと鉄格子の扉が付いており、
鉄条網は無かったとのことだ。
鍵自体あったらしいがこの手の解錠術はnao氏に
伝授したので問題なく出入りできる。

そして、取り外された扉自体が周辺に転がっていない。
しかも、扉を取り外すのにガス溶接で溶断した
新しい跡がヒンジ部分に残っている。

鉱山の人が持って行ったのか?
しかし何故持ち帰るのか。
それとも、金属転売業者が持ち帰ったのか。
律儀に鉄条網を施し。。。しかしただの鉄、
ステンレスや銅等の素材ならば分かるのだが。。。。
鉱山関係者が見周りをしており、
無くなった扉替わりに鉄条網を設置したのか?
いずれにせよこんな気が付かない坑口に余程の者
でなければ近づく所か、発見さえ困難な場所なのに。

 


撮影:Baro氏
内部に入ってみた。
坑口から真っ直ぐに20m緩やかに左に曲がって進むが
その先は。。。。

 

最深部は排水用のパイプが突き出して
閉塞していた。パイプからも空気の出入りが
無い事から、このパイプ自体も詰まっている。

 

そして、夜にはダン氏と合流し
昔の選鉱施設にも案内頂けた。 

 

そして別の日に連れて来ていただいた場所。
コンクリートの重厚な造りをしており、
過去に坑道名が掛けられていた窪みが見られた。
この坑道は水平坑道ではなく、竪坑になっている。

坑道内に昇降機の巻上機は無く、この坑道の上部、
外部にある山の斜面に沿ってケーブルが
設置してある跡が残っていた。

坑道内に入ってみよう。

 

一直線に伸びているが、その距離は50m程
すぐに右手にカーブしてその先は。。。。。


竪坑道の説明をしてくれるnao氏

色々な資料を調べたところ、この竪坑は
400mを超えるクラスの竪坑と言う事だった。
しかし、落下させた時の時間がおかしい。
少々短い気がするのだった。
それでも200mは遥かに超えている。
この下で安全上、土砂により閉塞して
いるのではないだろうか?



これだけの深い竪坑なのだが、
木材を多用しており、繋ぎの部分に鉄材を使っている。
歴史は古いと聞いているが、
鉄が貴重な時代に造られたのか?

竪坑を撮影、深い事には変わりがなかったw


表に出て坑口の右手を行くと
この様な穴がある。
猛烈な空気が噴き出している。
この下にはメンテナンス用の
坑口があるが、ブロックで厳重に塞がれている。
この真下は傾斜のある斜坑になっているようで、
坑道内の空気を循環する為に造られた物らしい。
この穴からのぞくと、プロペラを固定する様な
機器の残骸も残っている。


この穴は無理をすれば入れると思う。
但し万歳をする様に手を目一杯上に持ちあげた状態で
入れる。

nao氏はワザとこの地の方言を使って
「ムリダッテサー」と言う。

確かに無理と思われる狭さだ。確実に数人は
必要になる。出たい場合は手を伸ばし
二人掛かりで両手を引き上げてもらわなくては
あがる事は難しいと思う。
当然身体周りには装備は付けられない。身一つで
入るしかない。

穴を広げたい衝動にかられるw


そしてこれが昇降機のケーブルが延びていた場所。
nao氏はこの上まで登ってみたが、
コンクリートで完全に塞がれていたと言う。
一件インクラインの様にも見える。


真下はケーブルを巻き上げる機器が設置してあった
深い溝が残り、水を蓄えていた。
動力室の跡も度台だけであるが残っている。


近くにはトロッコの台座が落ちていた。

夏の時期に何度も来たnao氏は
気が付かなかったらしい。

「何度も来ているのに
  気が付かなかった!お恥ずかしい」

言っていたw

気が付かないのも無理はないw
道から外れた場所、草木のある夏なら
なおさら分からなかっただろう。


過去に道があった感じの場所を見つけた。
導水管を辿り登っていったが、

竪坑か!(通風用の)と思われたが
実はただのタンクの様だった。
しかし塞ぐかのようにバラバラに切断し
倒していく意味は何なのか?
そのままでも良かったのではないだろうか?

念のために持ち上げたり隙間に顔を突っ込んだり
してみたが、答えは変わらず。
やはりタンクの様だった。


また別の場所に向かう為、
nao氏の大坑道攻略用低音バイク
(坑内仕様にする為、排ガスを水タンクに繋ぎ音と煙を
低減するバイパス加工がしてある。)
で、
移動中発見した坑道。
けつに乗り右手を見ていると、
「あれ?今坑口っぽい物、あったっぽい」

nao氏
「マジですか?この辺は探したけど見当たらなかったような」

そして来た道をすぐ引き返し
nao氏「あ!本当だ!うわぁ気が付かなかったな〜」
超色目気だっている!

「今までこれだけ色々と調べた事自体すげぇよ!nao氏!」

しかし残念ながら、火薬庫の跡であった。
近辺に何かあるだろうと廃道の様な場所を
掻き分け進んでいくと、畦畑の様な感じの人工帯に
建物が立っていた痕跡が、ドラムカン等も落ちている。
更に廃道を登るが、何時まで経っても


そしてnao氏が見てほしい物があると。

山をバイクでどの位登っただろうか?

林業用で整備されているが
砂利道でパンクが怖かった。

そして辿り着いた頂上には
巨大な円柱形の物が二個並んでいる。

これが見てほしいものらしい。


巨大な植木鉢の様に木が生えてしまっているが

「こ、これは!!!!」

巨大な通風竪坑ではないか!

この円柱形の中にはプロペラが取りついて、
空気を送り込む吸排気目的の竪坑。
こんなに大きな物は見た事がない。
この鉱山の規模は激しく広大であり、
周辺の山を二個、三個は余裕で繋がっている。

何か所にも渡り通気坑道をあったが、
この大きさは巨大だ。

しかも山の山頂。恐らくは一番下まで800mは
超えてしまう。1kmにも近づく竪坑が
残っていると思われる。中まで埋もれていなければ。

状態を調べてみると、原型そのままでは無い。
一部切り取られた場所、階段が付いていたが、
それも撤去された様だ。


プロペラの軸受け、巻込まれ防止用の
パンチングメタルが張られていた状態
も見受けられた。

残念ながら、侵入することはできない。
入坑口は上部に隙間を残し、コンクリートブロックで
閉鎖されている。
空気の流れはあるのでこの内部、竪坑は埋没して
いない状態と思われた。
坑口右手にはスイッチがあり、この場所からでも
吸排気を操作する事ができる様だ。
わたしの背中側には山の斜面を下るように溝が
ある為、プロペラ動力を使用し、
ポンプによる揚水機能も併用されていたのだろうか?


上部よりカメラを差し込み撮影。
状態が分からないが、竪坑落下防止用の柵
らしき物、配管かプロペラシャフトなのか?
その様な機器が見える。

中に入りたいがしょうがない。。。。
別の場所へ向かう事になった。


頂上より下山し林道を走っていると、
廃小屋があった。これも鉱山用だろう。
寄り道してみよう。

  

「勤務者以外許可無く入室を禁ず・工作課長」と記載してある
ポンプ室だった。

内部は工作用の机か?時代を感じさせる裸電球の傘と
系統図の様なものが書かれた棚がある。


すぐ真裏には小さい坑口があったがやはりブロックで閉鎖。
しかし、この鉱山は規定を守りしっかり閉塞をしている。

この坑口右下にも坑口があったが、そこは何故か
塞がれていなかった。

風がなく狸掘りの様な坑口に少々恐れをなすwww


内部へ入る。これ以上奥に進むには、
寝そべって這っていくしか無くなる。
試掘か狸掘りの跡なのだろう。
時代を感じさせる。。。。
しかしながら数m程度で奥行きは無い状態だった。

写真には収めていなかったが、この他にも大ホールがあった場所が陥没した様なクレーター状の場所や、
坑口が小さく歴史が古いらしいが、その先は深い竪坑の坑道にも
連れて行ってもらった。

今は生きているから笑い合えるが、nao氏とダン氏で探索をしている時に
死亡する直前を味わったらしい。しっかりと坑内の地面を見ていなかった事が原因である。
なんと竪坑の脇にある岩石を削り、切り通しの通路と思われた場所を通り竪坑を抜け先に行ったnao氏、
帰りに自分が通ってきた通路を見て顔が青ざめたとの事だった。

なんと!通ってきた岩石を削り切り通しの様になっている通路。
「岩を削った通路ではなく、岩に穴を開けそこに木材の柱を差し込み、板を乗っけただけの通路だったと言う。」
中に浮いた状態(竪坑の上を堂々と歩いていた)
場所だったらしい。年数が経ち板の上には坑内の砂利等が乗っかる事により、地面と何ら変わらない色合いだったとの事。
土砂が乗った事により水分や空気に触れる面が減った為に劣化などが少なく、問題が無かったのか?
普通であれば崩落するのは確実な状況と状態のはずなのだが。
「まだ死期は先と言う事なのかw」この件により、以後は改め慎重に行動するようになったと言う。

これからも、相棒のnao氏、そしてnaoの相棒のダン氏と探索を続けられる事を願っている。

ダン氏は、2011年3月11日に発生した大震災により被災されました。
家、車、財産は全て流されてしまいました。
私は石巻にいた為、nao氏の計らいもあり、再開する事が出来ました。
職場も無くなり、現在は所属している消防団の集会場で暮らし、
ボランティア活動を行っている。この状況でお会いするのはどうかと思ったが、
どうしても会っておきたいと思った。怪我もなく、奥様も子供も無事でした。
泣きたい状況だったと思いますが、笑顔を見せてくれ久しぶりの再会を果たす事ができた。
こんな状況なのにお会い頂き本当にありがとうございました。
ご家族が無事で本当に何よりです。


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