廃墟 鉱山 廃坑 坑道 廃鉱
 

過去の発電所遺構である。
一陣の光を目指して。で紹介した発電所遺構の
水路へ潜入する事になった。


発電所遺構のレポートで紹介した水力発電所の跡。
途切れた水路を入口として内部に侵入した。
後に地図と見比べた結果、水路の距離は推定1km弱となる。
高さは2.3mのほぼ円形、奥に行けば出水の為に水深は深くなる。
この大蛇を飲込むほどの巨大な水路は何処に向かうのか?

当時この水路、水力発電所のタービンを回すために秒間数十トンの水量を送り込み
管内は全て水で満たされ、とてつもない速度の水流が流れていたであろう。
まさか、映画「ホワイトアウト」の様に水が押し寄せてくることは無いと思うが。。。

関連レポ

一陣の光を目指して。

 

この場所より潜入したとき(2回目探索時)の動画映像があります。

   動画1 潜入編

   動画2 耐圧管路潜入編

   動画3 耐圧管路内部編

   動画4 最終話

 

2本の鉄管が見える。
元々はこの水路、反対側にも口を開けている
水路跡と接続されその斜面下にある
発電所まで繋がっていた。

この場所は天井があり、
更には天窓、そしてハシゴ。

パイプを跨ぐように何か木材で枠組みをし、
点検用の足場などがあったのだろうか?
ここには水量を測る機器、水量調整を
行う機器等が取り付いていたのだろう。

 

 

皆が装備の選定をしている。
ほんの数メートル奥に入ると水路は
一本に合流している。
水路が分かれる部分は抵抗が無いよう
船首の様になっている為に合わせ鏡で
見ているようなシンメトリーの映像になる。
水深はほんの数十センチ、水流は僅かだ。
高低差は写真右側が僅かに低い為、
水の流れは右側に集中していた。

 

 

 

 

   

 

 

準備が整ったとの連絡を確認。

状況開始

坑内、水路内は鉄板で覆われ壁面は
勿論なこと錆びており真っ赤で不気味な
状態である。そして進む正面は真っ暗な
世界が続く。

 

 

やがて数十メートルで壁面はコンクリート製に
変わっていく。空気は流れており、
この先坑口は存在するものと分かる。

 

 

およそ50mほど進んだ場所の天井に
真円をした穴がある。穴の直径は1mほどだ。
どのようにして登るのかは分からないが、
左側のコンクリート面には金属製のハシゴがある。
水路の真中までは登れるがその後は円形を
しているこの水路、勿論上に行けば行くほど、
ぶら下がるように登らなければならない。。。

 

 

「一陣の光を目指して」で紹介したオーバーフローの為の施設真下に
位置するのだった。上から撮影した際に微かだが
水の流れる場所が見て取れた。この場所の流れが見えたのであろう。

 

 

「何処から流れてくるのか?」
しばらくすると盛大に水の流れる音がする。
その場所は意図的にくり貫かれた場所だった。

出水によりこの先から流れてくる水を
切り取ったこの場所に集め、
左側に掘られた高さ1m弱の水路へ
導いている。この場所を設けないと、入口の場所へ
大量の水が流れてしまいその斜面に何らかの
悪影響を及ぼすからであろう。地盤の緩みによる、
発電所辺りへの土砂崩れ等、地形変化を
起こさない為の配慮なのか。
元々は存在しない窪みと排水路だ。

 

 

上を見上げるオペレーター達。
点検用に持ち込まれたであろう
ハシゴが残る。元々敷設されていた
ハシゴは殆んど形を見せないほど
崩壊をしていた。

早速登ってみよう。構造的に先ほどあった
オーバーフローと同じ設備であろう。

 

 

天井はドカン!と大穴が開き何かの
建物の中に出るのだ。
5m近くはある大穴、元々は
小さかったとおもわれる。
恐らくは、ここまで来る道のりで
発見された1m程の
天井の穴、それと同じ大きさで
あったのでは?

 

  穴から上に見える天井までは
約15m〜18m程。
一般のビルの4階弱の
高さになるだろう。

 

 

ハシゴを登った先、大穴の上に辿り着いた。
周りには塩ビ製のパイプ、排水ポンプ、
一斗間が落ちていた。そして上に登るための
ハシゴが伸びている。

 

  ここで別々のパーティーに分かれることになった。 藤本としめ鯖氏の二人で更に水路を進んでみる。

   週末探検隊のBaro氏は単独でこの上の地域を制圧するという事だった。

     残るオペレーター達はここで撮影などして待機するとの事だった。

 

      では、まずはBaro氏の視点を追ってみよう。

 

 

このはしごを上っていったみたいだ。

落下防止用柵が設けられている。
一見、頼りなさそうな錆び付いたハシゴであるが
錆は表面だけである。更に良く見るとハシゴが
2基あるのが分かるだろう。直接コンクリート面から
生えているハシゴが最初に取付られたものだろう。
長年の結果劣化が考えられるため
円形の落下防止柵のついたハシゴが後に取付られた
と思われる。
壁面を見てみると湿度が多く壁面は
湿っている。

 

 

下に待機するオペレーターを見る。

下から見るのと上から見るのはやはり違う。
上から見るとかなり怖い。

このオーバーフロー施設は同施設にあった
煙突の様な設備(著者がつっ立った場所)が
存在しない。

 

   話が一部脱線しますが、この場所より潜入したとき(2回目探索時)の動画映像があります。

   動画1 潜入編

   動画2 耐圧管路潜入編

   動画3 耐圧管路内部編

   動画4 最終話

 

  それでは、引き続きBaro編をご覧ください。

 

はしごを上り終えて地上に出たようだ。
こちらの形状もトーチカの様な形状だった。

併設され建てられたプレハブ小屋が目に付く。
内部の写真は残されていないが管理小屋であろう。
写真からすると制御に関する設備は無いと思われる。

この様に見ると戦跡の様にも見えてしまう、
そのトーチカの様な形状が連想をさせる。

周りは広場の様になっているようだ。
そして轍が確認でき、車でこの場所まで来れる
と思われる。写真からすると草木が無く、
クッキリと残る轍が見えるので頻度良く
この場に来る者がいるようだ。

それは管理者なのか?それとも探索者なのか?

 

 

これは水神様。

水にかかわる場所で鎮魂の意味で
置いてある場所も多い。
ダムにかかわる場所でも見かける。

鉱山の場合、「山乃神」
カナヤマヒメと言う女性神が有名でもある。

 

 

形状からすると「一陣の光を目指して」で
お伝えした、オーバーフローの施設と
同じものと思われる。

 

 

排水口

 

  それでは今度は藤本としめ鯖氏のペアの視点を見てみましょう。

 

 

水路を更に進んでみよう。
この先堆積物が多くなりダムの様になる為、
水深は深くなり膝上位にまで上昇する。

天井からの出水は多くなり、写真の様に
雨でも降っているのか?と思ってしまう
場所まである。

お陰でこの先、命よりも大事な
カメラを守る為にあまり撮影が
出来ないことをご了承ください。
水底に沈む堆積物に足を取られ、
コケた場合カメラを守れる自信が無い、
その一歩を歩くのにも数秒かかってしまう。
この近辺地上には川が流れているために
このような出水が多くなる。

 

 

この様な光景見せられると不安になる。
勢い良く横から噴出す水。
「この水路の外は水の中なのではないか?」
と思う。

現在は本当に水路の周りは水脈に
包まれてしまってるのでは?
盛大な音、かなり水圧がかかっているようだ。

 

 

前方を歩くしめ鯖氏の足元を見ると

その水深が分かる。膝上を超え、

まもなく股下まで到達しそうだ。

左右には体積した石灰質の

泥が硬質化しており、抵抗のある

水を避けようと硬質化した端を

歩くと滑ってしまう。

円形が故に他の場所でもやはり

滑るのは変わりない。

 

 

 

   

歩くこと数十分、ここまでの写真を撮り忘れていたが、
土砂により水深は下がっていき
まもなく全く水が無い場所に辿り着いた。
今まで股下寸前まで来ていた水は無い。
所々の出水が集まって、あれだけの水深の
ある流れを作っていたのだろう。

 

 

正面に続く水路の横には後に

開けられたと思われる横穴が存在していた。

このままの進行ルートを保つため

横穴をスルーして 正面に行ってみよう。

 

この分離点よりほんの50m進んだ先は・・・

 

 

閉塞点に辿り着いた。

その場所は水が溜まっており

水深は80cm位、深い場所は1mを

超える場所もある。電球がぶら下がり閉鎖工事の際に

使われた木材が転がっている。

この真裏、塞がれた厚みはどの位

あるか定かではないがこの先にある設備を

見るかぎり相当な長さに渡り、コンクリートを注入し

閉塞させていると思われる。

分離点まで戻り、横に掘りぬかれた通路へ進んでみよう。

 

長く存在するように作られた坑道ではないだろう。
補強の為に鉄材を使い支保工を作ってあるが、
この坑道内の断面、多くの亀裂、
削岩機で削ったと言うよりかかなり早く掘り貫く為に
ダイナマイトを多用したとわかる。

 

  坑口が近づき、そのシルエットも確認できる。
鉄格子が組まれているようだ。
塞がれてしまってはショックだ。
「その先が何処なのか?」も確認できない。


 

「頼む!開いてほしい!」
少しは地上で休憩もしたいw
錆び付いた鉄格子は鍵が
かかってなくとも
ヒンジ部の錆び付き固着により
開かないことも考えられる。

さて我々の願いは叶うか?

 

 

ゴールはしめ鯖氏に踏んでもらおう!

今日の坑道行軍では
常に先頭を進んでもらっていた。

どうやら開くみたいだ。

錆や年数により開きは鈍いがキツイほどでもなかった。
しかし鍵さえ付いてないのは不思議である。


  

さあ!この扉の先は何処に出るのか!

 

見えた景色は?

 

申し訳ない、この季節はまだ夏の終わりが久しい季節。
未だ深緑に包まれた木々のお陰で写真では分からないであろう。
一部、建築物と分かる場所を拡大しよう。
何か階段の様だ。大きな壁に高さのある階段。

この場所はなんなのか?

大量の水を蓄えておくことができた場所。

「この先にある設備を見るかぎり」と閉塞点の文章で書いたが

そうダムのことである。


 

 

ネットで確認するとどうやらこのダムである。
上の写真で写っていた階段が中央左寄りに見えるであろう。
このダムを建築する結果この上流にあった村は沈み
水没世帯数は622世帯、移転対象住民は3,200人と
言われる。このダムは発電用・洪水調整として作られたが
恐らく我々が訪れた発電所跡、そしてここまで伸びていた
水路からするとこのダムと関連のあったと思われる。
高さ89m 発電量37,000w 昭和34年着工、39年竣工


そしてこれが建築中の写真であるが灰色枠の部分が
我々が出た坑口の場所がある。左上には架空索道が見えるが
この名残である鉄塔は未だ残るのが見えた。

 

wikipediaより

1953年より実施計画調査に着手したが、ダム建設に伴い湯田町中心部が水没する事で
反対運動は強く困難を極めた。湯田ダムが完成すると湯田村の中心部が水没する。
水没対象となるのは湯田村川尻・大石・大荒沢の三集落、民家405戸・622世帯・3,200人で
これは小河内村(現在の奥多摩町)全村が水没した東京都の小河内ダム(多摩川。奥多摩湖)の
945世帯に次ぐ全国最大級の水没世帯数となるからである。これに加え水田63ヘクタール、
畑地57ヘクタールといった農地、国道107号線約13キロメートル区間と村道約22.5キロメートル区間、
国鉄横黒線(現在のJR北上線)大荒沢駅・陸中大石駅・陸中川尻駅の三駅と15.3営業キロメートル区間、
鉱山13ヶ所そして水力発電所2ヶ所及び発電用ダム1基が水没するという大規模かつ複雑な水没物件となる。
このため補償交渉は村民・国鉄・鉱業権所有者・山林所有者・水利権所有者と多岐にわたるものであった。

発電用ダム1基とあるが、それはこの水路上流に存在したダムなのだろう。

 

 

スタート地点から発電所までの
渡河含めたルートは赤の線(発電所までのルート)
発電所脇より侵入し水路を
通ったルートは黄色の線(1km弱)

この後、元の水路へ入り発電所まで戻った。
あの分離した横道は閉塞工事の為に後に作られた遺構であろう。

 

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