廃坑 鉱山 廃鉱

【週末探険隊合同探索】 坑道調査雪上行軍

ネット上でも情報が少ない部類に入るこの鉱山。
既に三十数年前に閉山になった。当時は精錬場や山を越え駅まで運ぶ索道も存在したと言うが、
現在は、資料が少なくその痕跡を探す事さえ難しい。
索道に関しては、支柱の跡が尾根筋の登山道に残るとも言われている。
数多くの坑口が残り、事前に偵察を行なった週末探険隊のオペレーター「鯖氏」「zunn氏」との合同探険に
参加した。

この鉱山は山梨県都留市大字大幡にあって中央線笹子駅より4km、富士山麓電鉄谷村横町駅より8kmの位置
にあった。鉱山付近一帯は、海抜700m〜1,000mの間にあり地形極めて急峻である。
その歴史は、明治初年,本社沢の漢間に一鉱塊を発見したのが端緒で、明治36年三菱合資会社の経営に移り、
その間、数次の採鉱方法の変更並びに鉱床の変化により、当初の銅採掘が明治末期より硫化鉱を主体とする
採掘に変遷し来り、昭和18年頃より亜鉛鉱の出鉱を開始し、その間三度社名の改称があり昭和27年より、
三菱金属鉱業株式会社○鉱山となる。
四辺の地質は、いわゆる御坂層の広く発達する地帯であり、鉱山周辺部は主として緑色凝灰岩,黒色頁岩、及び砂
岩が分布している。鉱床は緑色凝灰岩中に生成された塊状黒鉱式鉱床であり、略東一西系の二つの断層帯の
合流点に楔状に形成されたと考えられる。鉱体の北側は安山岩、南側は緑色凝灰岩であり鉱体は
この両岩石の境界面に生成されたものである。
現在露頭より最下底部下4坑道までは230m前後であるが、鉱体の肥大部はほぼこの中間の本坑地並まで
である。鉱体の肥大部では長径40m、短径60mあり東方はレンズ状小鉱体の連続となり尖滅する。
鉱石としては主として硫化鉱で一部亜鉛鉱,銅鉱を産する。銅鉱,亜鉛鉱は主として東部に一部黄鉱と母岩の
境界部に沿つて産し,黄鉱生成後、前記二断層が再び移動しその部分に銅,亜鉛鉱が生成されたものと考えられ、
この両者は伴つて産すること多くほぼ同時期と考えられる。西方珪鉱部以外は各種鉱石は脈石に乏しく高品位で
ある。鉱石は主として黄鉄鉱,閃亜鉛鉱、黄銅鉱,黝銅鉱,方鉛鉱があり、脈石としては石英,重晶石,絹雲母
を主とし西方珪鉱地帯には一部石膏を産する。最近本鉱体北部において銅、亜鉛鉱を主とした新鉱体
が発見せられたが、これは東北一南西系の断層破砕帯中に生成されたものである。以上の構造は上記安山岩の逆
入と密接な関係あるもめと考えられる。事業課事務所は海抜920mの高さにありこの地並に主要坑道の
本坑がある。これより上部10坑道(各坑道間10m〜15m)、下部4坑道(各坑道間約30m)すなわち
上下230m余に亘つているが、現在の主なる稼行区域は本坑以上で本坑以下は探鉱を主としている。上2坑道以上
の鉱体の中心部はほとんど採掘終了し現在は西部珪鉱部,北部周辺の黄鉱部及び東部脈状部中の亜鉛鉱を稼行中で
ある。本鉱体の採掘は主としてケービング坑道掘によっているが一部においてはスクエアセット法、シュリンケージ法を
採用していた。

数箇所残る坑口の一つ。
登山道より離れた場所にあり、
発見は困難な場所である。

坑口の大きさは高170×横180
ほぼ正方形の形状。
木材の支保坑が組んであり、
出水は多いが、坑口より
流れ出すほどではない。

オペレーターの鯖氏より提供資料では、
「下2坑」と思われる。

 

一つの山自体の横幅規模が小さい為に、
奥行きある鉱山ではなく、各階層レベルが多い、
縦に規模がある鉱山の様だ。

ただし、一つの山だけでなく、隣接する
山々に坑道が残る様だった。

 

 

周辺マップ

それでは状況開始

 

下2坑、入坑後10m
ここで、泥濘が多くなる事により、
出水坑道突破防水装備である
ウェーダーに装備変更を行なった。

 

 

規模的に軌道の存在があったと思うが、
現在の状況から、軌道跡の確認は
とれなかった。

壁面に何か毛糸屑の様なものが
付着している。一昔前にあった、スプレーすると
空気に触れ糸状に固まる、パーティー等で使われた
グッツを吹きかけた様だ。

 

 

 

こ、これは!
この毛糸屑を物とも言わず突進む
オペレーターの「鯖氏」

菌類ではないか!
支保坑は菌類に包まれ真っ白な
ペンキを塗ったかのような感じであり、
クモの巣の様に入組み鍾乳石の様に
垂れ下がっている。

物とも言わず進んでいるが、
着々とダメージを追っている服と装備w
綿飴の様に絡みついてる。

今更ながら、息を止め菌類の肺侵入を
拒もうと思ったが、既に時遅しw

 

 

 

菌類の支保坑を越え裏側を撮影。
高4m×横6m程の広いホール状になっているが、
これは崩落による物か?
広い範囲を菌類が巣くっていた。

 

 

 

天井面と周辺には硫化鉄鉱が残る。
左側は退避用に作られた空間だろうか?
やはり、鉱車が走っていたのだろう。

 

 

 

先程ほどではないが、菌類が纏わり付く
支保坑。耐久性はなくなっているだろう。

 

 

 

まだまだ奥へ続く坑道。
しかし、空気の循環が無いことから、
先は短いように思われた。

坑壁に書かれている文字から
現在は210m付近だろうか?

 

 

 

起こりえる崩落に備えてだろう。
崩落密閉後、鉱水の水圧発生により、
上部陥没、他の場所より出水を避けるために
坑内右側へ沿うように積まれたれた土嚢がある。
坑口への水はけを良くするためだ。
その先には、木材とズリで塞がれた支道が残る。

 

 

 

そして、足元にタライを残し閉塞。
総延長、300m付近であった。
コンクリート製の壁で塞がれているが、
上部はあえて隙間を残し、鉱水を排出
していた。

 

 

 


崩落地点を確認し、周辺の調査・撮影を行なうオペレーターの「鯖氏」

体中には無謀にも菌類へ突入した痕跡が。髪の毛にも付着w
実は、偵察時に携帯電話のライトのみで、菌類支保坑まで
来て引き返したと言うなんとも無茶で坑道をナメているしか
言いようの無い話を聞いたw 三度の飯より穴が好きとは
聞いてはいるが探険主力機材のライトを持ってこないで
偵察とは首を傾げてしまう(爆)好きにも程がある。

 

 

 

近辺に火薬庫があるとの事で連れてこられた。
あまりに足元が危険な為、コンデジにて撮影。

足元が危険とはどういう事かと言うと。

 

 

膝まで沈み込んだこの有様の為である。
ただの水でさえ歩く際の抵抗があるのに、
この肥溜めの様な粘り気のある泥の為に
足元のおぼつかないおじいさんの様に
スッ転んでしまう危険性が大!

現在飛行中の主力戦闘機(デジタル一眼レフの意)が
ちょっとしたミスのスッコケで泥沼に不時着しかねない。
倒れ掛かった速度とあわせると、不時着どころか
泥沼への無意味な特攻で深々と突き刺さるだろう。
サルベージした際には、
たった今、さっきまで持っていた一眼レフカメラと思えない
一眼レフらしきシルエットを微妙に残し、
泥団子と化した惨状を、ほんの2.5秒後には見てしまう。

それは避けたい。。。

なので、なるたけガン泣きではなく、涙目程度で済む
コンパクトデジタルカメラに切り替えた。

 

 

 

いなくなったかと思いきや、
先に進んでいたオペレーターの「zunn氏」
ライトを浴びせると「マネカタ」の様に暗闇の中つっ立っていた。。。
膝までの泥のせいで黄色い長靴を履いて
いるようにも見える。

ここは火薬庫内にある信管置き場だった場所。傾斜が
ついているためか、出水が少ないためか
この場所までは汚泥の発生は無く乾いた感じだった。

 

 

 

 

 

 

泥の坑内を爆進する。
この様に泥が多く堆積した場所で、
温泉水脈が近い場所、若しくは木材などが
多く沈んでいる場所はガスが汚泥の底に
溜まっている可能性がある。
過去に攪拌したせいで硫化水素が発生したことを
思い出した。

幸いのもこの場所ではそのような事は
起こらなかった。

 

 

 

 

 

 

火薬庫を後にし、坑道を探す為に雪中行軍を続けた。
周りは白銀の雪景色の場所。
泥のため、足跡が非常に目立つw

足裏の泥を落とすためと、万が一の関係者の追跡を
かく乱する為、二手三手に分かれたり
一度戻ってみたりと、実際は非常に無意味な行動を
行ったw

 

 

 

もう一つの坑道を発見した。
柵が施されており、
頑丈なコンクリート製の坑口だった。

資料では、「本坑」と思われる。

 

 

状況開始
コンクリートで保護された面は、緩い斜面の8m区間
のみ、コンクリート製のダムが作られており、
茶色くなった壁面まで鉱水が溜まっていたのだろう。
導水管が写真中央左手に見える。
現在はどういうわけか?鉱水は溜まっていない。
 

 

 


しかしながら、ほんの180m付近でコンクリートによる
閉塞処理が行われていた。
この奥は完全に水没している。
左手下には、検査用と導水を兼ねた
鉄管があり、水圧計が4kg/cuを指しており、
閉塞部裏手は、かなり水圧がかかっている事が
確認できる。このレベルだけではなく、その上のレベルまで
水没していることが伺える。

 

 

残念だがどうあがいてもしょうがない。
引き下がろう。

 

 

山を登り、三箇所目の坑口を発見した。

長方形の形をしており、坑口高190×横160程
資料では、「上4坑」と思われる。

そういえば何度か質問があった件をこの度
ちょうど写真に写っていたのでお答え。
って、件が件だけに答えになっていないかも。
その質問内容とは、
「毎度の事思うんだが、なんで鍵がかかっている
場所に入れるのか」

がーん!

確かにw
まぁ、それはイリュージョンの世界です。
プリンセス天〇氏も、鍵が掛かった
場所から脱出するでしょう。
余は同じですw

 

 

ちょうど写真中央左側にかけて置いた鍵。
ごらんの様に、当然ながら破壊することはしていない。

鍵と言うものは、閉めることもできるし開ける事もできる。
まさにそのまんまなのだ。閉める事ができるものは
開けることが可能。鍵の仕組みが分かれば、
ダイヤル式だろうが、ボタン式だろうが、
なんでも開いてしまうのが鍵と言うものw

答えになっていないが。。。
普通の人が「ドアノブを捻ったら開いた」、私からすると
その程度の物なのでございます。

 

 

低学歴な故、漢字が読めないのであるが、
ワクワクする場所には必ず書いてある、
「りつにゅうきんどめ」、と書いてある場所
でもない。

この坑道はどうなっているだろうか?

 

 

長方形の形状であった坑道は
すぐに素掘りに吹き付けコンクリートで
保護された形状になる。

腹が立つほど、悪い事は続くもの。。。
つまらない事に、既に先が見えている。
ダムの様なものが設置されているが、突破
出来るか?

 

 

 

菌類は取れたが、今度は落葉がのっている。
もうネタを仕込まないでくれ、と思ったが、
ネタではないようだ。

ダムには水が溜まっており、その奥は
閉塞している感じだが、続いているようだ。
臭気防止のS字配管の様になっている。

オペレーターの「鯖氏」が確認をとっているが、
「一度潜って向こう側に出るしかなさそうだ。」
某所鉱山でウエットスーツまで導入し
洞窟潜水までやってのけた鯖氏には出来るだろうが、
私にはできねぇ。おっかなくてやりたくもないw
壁の厚みが何mかも不明だ。仮に裏手に出られた
として、「ぷはぁ」と息継ぎをした場所が有毒ガスに
満たされている場所であったら濃度や種類によっては
即死するw
(純粋に濃い硫化水素を吸い込んだ場合は
シトクロムオキシターゼ阻害で呼吸中枢が麻痺、
次に呼吸をする指令が伝達不能になり死亡)

 

 

「キレたなw」

ジャブジャブと騒ぎ出した。
流水のある場所なので、ガスの発生は考え難い。

泥を落とす場所にはちょうど良いが、
後ろに控える「かまどうま」にはいい迷惑だw

 

 

それでは周辺の探索に戻ろう。

 

 

更なる坑口を発見した。
看板があり、ヘルメットを被った
人物が「ホールドアップ」をしている。

何か突きつけられるのだろうか?
それとも両手を使ったジャンケン
をしているのか?

ついつい、チョキを出して
「かにさん、かにさんチョッキン
チョッキン」
とアホっぷりな横歩きで
狭い隙間を潜り抜けた。

恐らくは・・・・
暗号だったのだろう!
カニの真似をすればこの狭い入口に
入る事ができると。。。

資料では、「上7坑」と思われる。

 

 

     シュール。。。。。

 

 

町で買い込んだおにぎりやら
パンにて腹を満たす為に
坑口付近で一旦休憩を行なった。

入坑ほんの数メートルで
立坑が現れる。
木材がなだれ込んでいる為
気が付きやすい。

トロッコ軌道が存在する。

 

 

 

立坑には、上方向からのホッパーが見えるが
この立坑には落ちない設計になっている。
この立坑を挟んだ奥に流れ込むようだ。
しかし、どこに行くのだろうか?
これは最後までわからなかった。

 

 

 

一直線に伸びる坑道。
しかしながら、多数の分岐があったが、
ほんの数メートル、15m弱で行き止り。
碍子が設置されている。

 

 

 

所々には、金属光沢をもつ鉱石が
露頭を見せている。
足元は泥が激しく泥濘んでいる。

 

 

 

 

巨石が転がり左手にも進む
坑道がある。
安心した事に、この坑道は下層の坑道と違い
塞がれてない。こういう環境を求めていた。

 

 

 

左手は崩落していた。
水が流れ出しており、この先は
深く水がたまっているだろう。

 

 

 

 

 

しかし、300m程で主坑道と思われる
通路は終点を迎えた。

更なる坑道を求めてこの場所を後にした。

 

更なる坑口を発見。
頑丈な鉄柵で囲まれているが
上は人一人が通るには充分な隙間がある。

しかしオペレーターの鯖氏が着用している
リアルツリー迷彩、私の中で万能迷彩と
思っているが、壁面と上手く同化している。
この迷彩は夏であっても低木の無い高木地帯、
秋の時期や、剥きだしの岩山帯では
もっとも高い能力を見せる。錆の色の為に
鉱山系の廃墟でも効果は高い。

私もこの着用が多く、もっとも信頼できる
偽装服と言える。

 

 

内部ほんの数メートルで崩落をしていた。

別の場所を探そう。
しかしながらこの季節は見通しが利くが
埋れていたり、発見が困難。
夏は草木で発見しづらい。
やはり春や秋ごろが行動もしやすく
発見も容易。

過去にこの坑口と似た坑口を写真で見たことがある。
その場所は柵が似ているが
岸壁の形状が明らかに違う。

 

この鉱山は坑口がかなり多く残るが、その殆んどは既に閉塞済みであった。

 

当時の製錬場跡。
規模からして相当大きい鉱山であったようだ。

鯖氏より提供された鉱山資料であるが、
写真説明に「選鉱場」と書いてある、しかし
形からして製錬場と思われる。

 

トロッコの軌道も見え、導水管が見える。
これは水力発電用なのか?鉱水を降ろす為のものか?
インクラインの様なものも見える。

 

「職員住宅」と書いてあるが
これは形状からこちらが「選鉱場」と思われる。

 

鉱山より近辺の駅までは索道があった。今その痕跡は林道に一部滑車の遺構、
索道鉄塔の一部が残されている。

 

 

雪深い中の行軍に行動力が奪われる。
最後に見つけたのはこの水路。
穴を見たら入らずにはいられない
鯖氏はアブミを設置してこの場所へ降りた。

 

 

入坑後にすぐ素掘りになる。
水の流れは殆んどない。

 

 

水が溜まっている場所もあるが、
水路だけで掘ったのだろうか?
元々は試掘もかねて掘ったのではないか?
非常に広い場所もある。

 

 

アップがあり歩き難い。
しかし、こういうときにウェーダのフェルト底に
感謝したい。
濡れた岩に食いつきが良く、滑り知らずだ。
普段はフェルトに泥が染みこみ
落とし難い。
泥の上では滑る等不満はあるが。

さすが渓流用に作られただけある。

 

 

 

出口を抜けると更に坑口がある。

 

 

 

 

 

 

オペレーターの鯖氏が何か
照らしている。

「上がある!」

なんと水路の筈が、一つ上に
穴があるとの事だった。
この上には水路は存在しない。

先が続いているのか?

 

 

見え難いが左上の影の部分に
坑道があった。どこへ続くものか?
しかしトンネルの形状がおかしい。
何故こんなに天井まで高さがあるのか?
水路の通路は正面に見える低い
2m程のトンネルなのだが、この場所は
5m程ある。

後日この場所に単身オペレーターの
鯖氏が挑んだが
クライミング訓練をしている氏でも
指をかける場所がなく、この上の
坑道に辿り着く事ができなかったらしい。
もう少し坑道幅が狭ければ、左側壁面に
両手、右側壁面に両足という具合に
体を水平にすれば登れない事もない。

安全なのはハシゴが一番だろう。

 

 


最後には、坑道は消えて沢となっていた。

 


周辺を探検してみたが、坑道や遺構は存在しなかった。露天掘り採掘の跡地だろう。

 

 

 

 

今回の探険はここまで。

これからも
二人の探険は続くのだろう。

 

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