廃墟 廃坑 鉱山

【単独潜入】 幻のトロッコ路線を探せ!−廃墟・坑道を舐め尽す−

過去に坑道を求め何度も足を運んだ地。
トロッコに使われる軌道の残骸を見たことがあり、もしかすると過去に
輸送網があったのではないか?と思っていた場所である。
しかしその情報は無く、ネット上にトロッコの「トの字」も存在しない始末。
しかし、当時働いていた人物の経験談を拝見した。

そこには「トロッコ輸送をしていた」、険しいこの山は断崖絶壁が多く、
ロープに摑まり断崖絶壁に切場を開けそこにダイナマイトを突っ込み点火。


風の強い冬の日は大変厳しい作業だったと言う。
天気の悪い雷雨が近づく日には、山頂付近にある、落石防止用の
支柱や網が帯電により青白く光る光景が見られなんとも怪しく幻想的、いや
気味が悪かったとも書いてあった。
週末探険隊に所属する、識者J54A氏の情報によると、インクラインの跡も存在
してると言うが、現在はその痕跡も乏しく、降雨時の溝と化しているらしい。


山奥を突き進むコンベアー設備。現在は枯渇により動いてはいない。しかし大金をかけて築いた設備を
こうも簡単に廃棄してしまうとは。撤去費用を考えてしまうと、このまま朽ちるに任せるのだろう。



点検通路坑口直前では1t近くある岩石が転がってきた為に点検路とその支柱をへし曲げていた。
凄まじい衝撃と音だっただろう。この山は絶壁より剥離しやすい脆い部分がある為
この様な光景をよく見る。

   

坑口に到着。GPSによる坑口座標を記録している合間にライトの点検、装備品の入替えを行い入坑する。

状況開始

覚えているでしょうか?この坑口は過去に「巨大直線坑道」で脱出した時につかわさせて頂いた場所です。
今回は入坑としてつかわさせて頂きます。しばらくは山の中心に向かい300m進んでいき、
その後T字路にぶつかる。古い坑道を目指すために、なるべく細く小さい支洞を進んでいく。
主坑道ではないので、迷子になり涙目にならぬ様細心の注意と坑内のあらゆる目に写る物を記憶していく。


山の下部へ向かう坑道。周りに気を配り、設備や雰囲気が古くなっていく場所を狙って進む。
すでにこの階段がある坑道は現在使われていない。今後使われる見込みが無い、
「有姿除去廃止鉱区」とある。

 


インペラーブレーカーが置いてある。現在は使用されていない旧鉱区の物だ。
鉄板と岩石が衝突する凄まじい衝突音がしていた場所であるが、現在は沈黙。

天井には水滴防止のトタン屋根が這わされているおかげで、鉱水の滴下が機器の著しい腐食が起こっていない。
硫黄類を含む金属鉱山ではこの様なコンディションは見込めず、金属類は相当な腐食にやられているだろう。

 


お!インクライン?しかし何か見覚えが。。。。。

「しまった!」この場所は過去に来た場所だったwさすが網目の様な、蟻の巣状の坑道の為
迷う場合と、過去に来た場所に繋がったりと、ホッとしたり焦ったりと様々楽しめる。

 

凡そ2年前。。。。 現在

う〜ん。変ったところが見られない。。。。搭載物の変化も見られないが。。。。。

ん!?

俺、動くのか押したかな?押したような、押さなかったような。。。。
何か位置がずれているような気がする。ケーブルのテンションが緩んでいる気もする。。。
気がするだけだろうwまさか地震でずれたかな?


またも斜坑だ。更に深く降りていこう。この先何が現れるか?「トロッコよ!現れてくれ」と期待してしまう。

 


降りた先は明らかに旧鉱区。送気パイプが転がる。地面を良く見て痕跡が無いか確認する。
掘った鉱石をどの様に運んだのか?トロッコを使っていないのか?地面には枕木の跡や軌道跡を
発見するには至らなかった。

 


低く背丈ほどの坑道を延々進む。しかしこの地質は過去に海底だったもの。何億年前の堆積物だったのだろうか?
現在では隆起により山になった。

 

そして延々進み凡そ500m程で、T字路にぶつかった。左手は更に斜坑で奥へ続いている。

 


T字路左側を望む。
これは?まさか枕木として使ってはいないよな?期待の為に何でも枕木に見える幻覚症状w

反対側の斜坑からは光が見え坑口を確認した。一度出てみてGPSに記録するとしよう。

 


GPSの受信中、深呼吸の後一服。ここは通気の為か?ズリ捨ての場所か?
絶壁の場所に坑口があった。手持ちのコーヒーを味わい景色を見る。そして目に止まったものは!

 


こ!これはレールじゃないか!一目散に太い木の枝を捜し掘ってみた。
枕木は存在しない。これは置かれたものか、軌道として敷かれたものか?

 

枕木を発見出来ないため、核心はもてない。上から落ちてきてただ単に埋まっていたのだろうか?
GPSの記録が終了したので再度地下へ潜る。先ほどの斜坑を降りていこう。


斜坑を降りきるとL字になっており、更には写真の様にS字上のクランクが待っていた。先に扉の様なものが見える。

 


扉の先は何かの設備があった。階段は錆びているので先ずは歩行場所の安全を確認する。
特に穴あきは少しであり梁の部分は大丈夫そうだ。進んでみよう。

 


更に古い旧鉱区のインペラーブレーカーか?トタン屋根で防滴処理がされているが機器に付着する錆が激しい。
湿度による錆と思われる。

 


これは。インペラーブレーカーが設置してあった場所だろう。撤去され中央には鉄板で塞がれた開口部が残る。立坑だ。。。。
20cmほどの隙間が怖い。

 


そしてインペラーブレーカーがあった場所のから移動すること300m  急に広い坑道に出た。
写真左手に映る物はトイレ。後ろを振り返ると。

 


坑口が見える。湧水により左側地面は川の様になっていた。一旦表に出てGPSの記録をしよう。
何箇所か坑口を発見するたびに記録をすれば山の中でどういう形状になっていたか平面図を描く事が容易になる。

 

 


出口付近の岩盤は色が変ってくる。おそらくチャートだ。色づきが赤、そして一部黒が混ざっている。
微量の鉄分が混ざり赤を見せ、炭素が含まれる場所は黒い色を見せている。



崩落したのか?それにしては堆積するはずのコンクリート片が見当たらない。浮石除去でもした際に撤去をしたのだろうか?

 


過去に何か工事をしたようだ。坑口の浮石除去に関係するのだろうか?単管足場とラダーが残る。
GPSの記録をしつつ、この周辺を調べる。一服する事も忘れずに。
しかしこの辺りに目ぼしい物は存在しなかった。

 


記録を終了し奥へ進む。T字の奥は二手に分かれる。右手には上部に敷設されているコンベアのウエイトが
現状劣化せず残っている。左手は斜坑であり、上に登っていく。

 

湧水を溜めているドラムカンがあった。しかも湯呑み(仲よきことは美しい書いてある。)と
手ぬぐいが置いてあった。間違いなくここで喉を潤し、手ぬぐいで汚れを落とす場所だったのだろう。
早速頂いてみた。「うん、水だ」

当然ながら水。石灰質の隙間を縫って濾過されたおいしい水だった。

前回合同オフの際にこの鉱山にある別の坑道で長距離を歩いた時、とある
ミッション先で、水が不足する事態となった。その際は天井から滴る水を飲んだ事を
思い出す。

注意:金属鉱山の水滴は間違っても飲んではならない。重金属の汚染がある。一例で閃亜鉛鉱の場合は随伴して
カドミウムが必ず付いてくる。舐めてみると分かるが金属鉱山は、味は苦酸っぱく
金属臭が強いためにとても飲めるものではないので誤飲は無いと思う。
どの鉱山も坑口付近の滴る水滴も飲んではならない。層が薄いために充分ろ過されていないか、
虫等が坑口付近に付着し汚染、外からの水が天井面を伝ってきているだけかもしれない為。

 


斜坑を登りきると広い坑道に出た。これは自動車が通るための坑道だ。 「路面状況からして通行がある場所だ」

急いで戻らなくては。

しかしおかしい。こんなに探し回っても行きたい方角へ行く坑道が無い。トロッコを使用していた旧坑道は
更に別の場所にあるのではないか?過去にグーグルマップを見た際に引込み線があったであろう場所が見えた。
現在は敷設されていない。その場所まではこの辺りからは遠い。更に山の裏側だ。
この鉱山も合併共同採掘になったりしている。過去、合併前には坑道自体が他会社と接続する事は無かったのではないか?
トロッコがあった坑道は全く別の坑道として捉えるべきではないか?どうみてもトロッコがあるようには痕跡から思えない。
出直したほうが良さそうだ。

 


ベルトコンベア沿いの坑道の先には光が見えた。その坑口を脱出ルートとしよう。

 


暗闇の世界から数時間ぶりに地上へ出た。外の光がまぶしい。

そして荒れ果てた坑口から脱出。GPSで現在地を確認。

しかし唖然とした。入坑口からは直線で1kmしか離れていない。これは坑内でグルグルと回されていただけだ。
実の所、行きたい方角に行けない事で薄々感づいていたw

これじゃぁ、ただの地下ハイキングじゃないか。。。。しかしいい勉強や運動になったと思えばいいかwこの辺りの廃設備を見て回ろう。

 


近くには火薬庫らしき設備があった。当然ながら蛻の空wその先にも何かある感じだ。

 


坑道?じゃなさそうだ。やはり火薬庫らしい形状だ。その奥には少し新しいドアが。再度ペイントされたように思える。

 


お!立川基地以来の巡りあわせ。ポリ塩化ビフェニル、PCBの保管庫。
捨てるに捨てられない面倒な物である。相当な数が残されている現在、
処理が追いついていないのも現状だ。過去1970年代にはもっぱらPCBが
変圧器に使われていた。

 


静まり返った廃工場。聞こえるのは鳥のさえずりのみ。。。。

 


貯水場、景色を映し出す鏡のようで綺麗な場所だった。

 

 


過去に掘り出された鉱石はベルトコンベアで運ばれこの場所で振り分けられていた。

 


昔はこの奥の坑道より鉱石が運ばれてきた。この坑道は延々と数キロコンベアが続いていたと言う。

 

 
テンションがなくなりダラリと垂れ下がったコンベア60m位続く振り分け部分。

 

振り分けられた鉱石はどこへ行くのか?その下はどうなっているのか?

下り階段を見つけておいたので降りてみよう。

 


線路がある!見る限りは4車線存在した。トロッコ軌道か!
しかし軌道幅も広く、鉱石が落ちてくるホッパーが見えるが、軌道面からは高すぎる。小さいトロッコでは
高さの関係からこぼれ出したり、跳ね返りで散らばってしまう。 大型の車両が乗り入れる感じだ。
下への階段を探し行ってみよう。

 

 
軌道はご覧のとおり、砂埃がかかり、現在も使われているものではなさそうだ。

ん!正面に何か見える!大型の車両だ!

 


列車を隠すために崖に設けられた軍事用の要塞の様だ。正面上部には「保安」の文字が大きく描かれている。
圧倒される大きさだ。


苔生したトンネルには機関車が一台。塗装の剥げ具合から使われていないようだ。少しこの機関車を調べてみよう。

 

 

 


錆び具合がすばらしい。この手の車両に関して知識が無いが目の前で大型のDLを見る事ができ心が躍る。

 


このDLはいつまで残り続けるのだろうか?

 

運転席を見てみたい。運転席のドアノブに手をかけた。

 

ガタンと重厚な音が響きドアが開いた。

その瞬間強烈なかび臭さが鼻を突く。

 


どこからこのかび臭さは来るのか?内部の酷い湿度によりガラス面は水滴が付き曇りを見せている場所もある。

 


シートにはカビが生えている。内部はその湿度により錆が激しかった。

 

残念ながら、この鉱区で坑内軽便鉄道を発見するには至らなかった。。。。
しかし必ず存在したと言われる。それが痕跡でもいいから見てみたいと思う。
まだまだこの地に足を運ばなければならないと思った。いつかは発見したいと思う。

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